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不眠症について

不眠症の治療方法まとめ(薬物療法と認知行動療法)

更新日:

「眠れない・・・不眠症かも・・・」
「不眠症って、どうやって治すんだろう?」
「病院へ行ったら、どんな治療をするんだろう?」

そんなふうに、不眠症治療について関心を持っている人はいないだろうか?

というか、これは私のことだ。寝つきが悪くて困っているが、大げさな治療をされないか不安で病院へ行くことができない。

そこで今回は、不眠症の治療について調べてみた。以下のことを説明しながら、詳しく書いていこうと思う。

  • もくじ
  • ・不眠症治療の流れ
  • ・睡眠薬による不眠症治療
  • ・認知行動療法による不眠症治療

興味がある人は、どうぞお付き合い願いたい。

不眠症治療の流れ

不眠を感じたら、まず自分で生活習慣を変えてみる人が多いだろう。それでも改善しないときは、がまんせずに専門医に相談することが望ましい。

なぜ、ちゃんと専門医に診てもらうことが重要かというと、不眠は余命が短くなることや脳卒中リスクが上がるなど重大なトラブル指摘されているからだ。

  • 不眠が続くと発病リスクが上がる病気
  • ・糖尿病
  • ・脳卒中
  • ・心筋梗塞
  • ・ガン
  • ・うつ病

大事なことは、一人で悩まないこと。悩むと余計に「不眠」をまねく。

ここでは、睡眠学の権威である国立精神・神経医療研究センター部長の三島氏が、著書「不眠の悩みを解決する本」の中で書いている不眠症診療の流れをまとめたいと思う。

  • 不眠症診療の流れ
  • 1、症状を把握する
  • 2、治療が必要かどうか判断する
  • 3、生活習慣の指導
  • 4、睡眠薬処方前にリスクを評価する
  • 5、薬物療法
  • 6、認知行動療法
  • 7、治療が効果を発揮しない場合は不眠の再評価
  • 8、維持療法・維持薬物療法
  • 9、休薬トライアル

各ステップをもう少し詳しくみていこう。

1、症状を把握する

不眠の症状や原因は患者によってさまざまなので、患者がかかえる不眠のメカニズムを正確に把握する。

  • 不眠症の4つのタイプ
  • ・入眠障害(寝つきが悪い)
  • ・中途覚醒(夜中に目が覚める)
  • ・早朝覚醒(早朝に目が覚める)
  • ・熟睡障害(満足感がない)

不眠症の症状にかんしては、こちらの記事が参考になる。
不眠症の定義と4つの不眠タイプ

2、治療が必要かどうか判断する

不眠症は不眠の症状が長期間続くことに加え、日中に以下のような不調を抱えていることで初めて「不眠治療の必要あり」と診断される。

  • 不眠からくる心身の不調
  • ・疲労や倦怠感
  • ・注意力、集中力、記憶力の低下
  • ・社会生活上、職業生活上の支障
  • ・学力低下
  • ・気分障害、イライラする
  • ・日中の眠気
  • ・やる気、気力、自発性の減退
  • ・職場や運転中に過失や事故を起こしやすい
  • ・緊張、頭痛、胃腸症状
  • ・睡眠について心配したり悩んだりする

不眠症状の把握とともに、上記のような不調があるか細かく聞き取りをおこなう。

3、生活習慣の指導

患者が質の良い睡眠を確保できるように、まずは生活習慣を改善していくための指導をおこなう。

医師の診療を受ける前に自分で生活習慣を改善してみようという人には、以下の資料が参考になる。
[参考] 厚労省「健康づくりのための睡眠指針2014(睡眠12箇条)」(PDF)

4、睡眠薬処方前にリスクを評価する

睡眠薬の商法をする前に、患者が長期の服用におちいってしまわないか評価をおこなう。

他にも、薬物療法では以下のことも注意して評価される。

  • 治療前に注意して評価するポイント
  • ・不眠の症状が重いか
  • ・抗不安薬の服用または服用の経験があるか
  • ・高齢であるか
  • ・合併症やストレスがあるか
  • ・薬物依存の経験があるか
  • ・アルコールとの併用
  • ・性格の特徴
  • など

5、薬物療法

不眠治療に使う薬はたくさんの種類があるので、不眠のタイプや不眠の原因、患者の持病や健康状態などいろいろな状況を考慮して薬を選ぶ。

睡眠薬のことについては、以下の記事が参考になる。
睡眠薬について

6、認知行動療法

睡眠薬と同時に行う治療法、あるいは睡眠薬を使わない治療法として認知行動療法をおこなう。

認知行動療法とは?
睡眠に対する考え方や受け取り方に働きかけて、気持ちをラクにする精神療法のひとつ。睡眠に対する間違った認識や誤った睡眠スケジュールの修正、筋弛緩法(きんしかんほう)などがある。

7、治療が効果を発揮しない場合は不眠の再評価

薬物療法や認知行動療法の効果が現れないときは、最初におこなった診断治療の効果を妨げている原因について再評価をおこなう。

同時に、睡眠状態誤認や不眠症と誤って診断されやすいさまざまな睡眠障害についても再検討する。

睡眠状態誤認とは?
脳波では眠っていることを示しているのに、患者は「眠っていない」と感じること。

8、維持療法・維持薬物療法

不眠症が改善したら、薬物療法をどれぐらいの期間続けるか検討する。

睡眠薬をやめるときは、以下の2点の改善が前提となる。

  • ・不眠症状の改善
  • ・日中の不調の改善

9、休薬トライアル

不眠症が治ったら、睡眠薬を減らし止めるための取り組みを始める。

症状が完治する前に睡眠薬をやめてしまうと、不眠症が再発したり悪化することがあるので、必要じゅうぶんな期間をかけて休薬試行をおこなう。

睡眠薬による不眠症治療

不眠症の治療では、薬物療法が主流である。

日本人には睡眠薬に対して恐怖感がある人もいる。実際、1970年ごろまで主流だったバルビツール酸系睡眠薬は、依存しやすく飲み過ぎると呼吸が止まることもあった。

しかし、現在広く使われているベンゾジアゼピン系睡眠薬オレキシン受容体拮抗薬は、適切に使えばお酒を飲んで寝るより体への悪影響が少ないと言われている。

現在、日本で使われている代表的な睡眠薬は、作用時間(効き目が続く時間)によって4つのタイプにわけられる。

睡眠薬のタイプ 消失半減期
超短時間作用型 2~5時間
短時間作用型 6~10時間
中間作用型 20~30時間
長時間作用型 50~100時間
消失半減期とは?
睡眠薬を飲むと1時間ほどで血中濃度が最も高くなり、その後、体内で分解され少しずつ濃度が下がっていく。消失半減期は、この濃度が半減するまでの時間。
消失半減期と作用時間は別のもの。「消失半減期が100時間だから、100時間作用する」ということではない。

睡眠薬は不眠症状に合わせて選択される。たとえば、なかなか寝付けない「入眠障害」では超短時間作用型。朝早く目覚めてしまう「早朝覚醒」では長時間作用型、という感じだ。

また、睡眠薬は即効性というメリットがある反面、依存(耐性離脱症状)というデメリットがある。

耐性とは?
薬がだんだん効かなくなり、同じ効果を得るために増量する必要が出てくること。
離脱症状とは?
休薬したときに禁断症状が出てくること。

認知行動療法による不眠症治療

不眠の治療方法は睡眠薬以外に認知行動療法があり、睡眠薬と同等かそれ以上の効果があると言われている。

2002年に出版されたメタ・アナリシス(複数の論文を精査したもの)によると、入眠までの時間において薬物療法より認知行動療法の方が効果的だったそうだ。

  • 入眠までの時間の短縮効果(12の論文を精査)
  • 薬物療法 → 29.7%短縮
  • 認知行動療法 → 43%短縮

ただし、認知療法では薬物療法とは逆に「即効性がない」というデメリットがある。

療法名 即効性 依存
薬物療法 あり あり
認知行動療法 なし なし

認知行動療法では「睡眠に対する間違った認識」や「誤った睡眠スケジュール」の修正がおこなわれる。

それぞれ、もう少し詳しくみてみよう。

睡眠に対する間違った認識とは?

慢性的な不眠症患者が共通して持つような誤った睡眠習慣がある。

たとえば、以下のようなものだ。

  • ・眠くもないのにベッドに入る
  • ・睡眠不足解消のため、いつもより早く寝ようとする
  • ・眠ろうと努力する
  • ・長すぎる昼寝をする

以下のことは脳波では「覚醒する作業」にあたるので、認知行動療法では「不眠症の人はやってはいけない行動」とされている。

  • 眠れないときにやってはいけないこと
  • ・眠れないままベッドでずっとがまんする
  • ・音楽を流してリラックスしようとする
  • ・眠くなるまで本を読もうとする
  • ・テレビをつけてぼんやり見る

認知行動療法では、眠くなるまで「寝ようとする」必要がない。もし、ベッドに入って10分経っても寝られなかったら、寝室から出るようにするのだ。

誤った睡眠スケジュールとは?

不眠で困っていない人はいつもの時間に眠くなってベッドへ行き、横になるといつのまにか自然に寝てしまう。

しかし、不眠症の人はいつもより早くベッドに入ったり、なかなか起きずに少しでも寝ようとする。その結果、また眠れないという悪循環におちいる。

  • 少しでも寝ようとするあまり・・・
  • いつもより早くベッドに入る → 寝られないことに悩み覚醒する
  • 朝、少しでも長く寝ようとする → リズムが狂い夜眠れなくなる

そこで「現状眠れている時間」に少しだけプラスした時間だけベッドにいるようにするのである。

たとえば、「5時間眠れている」と感じている人の場合は以下のように進めていく。

1、眠れていると感じる時間に30分プラスする
5時間眠れていると感じるなら「5時間+30分=5時間半」。
2、起きる時間から逆算してベッドへ行く
7時に起きたければ、1時半にベッドへ行く。それまで絶対に寝室へ行かない。
3、1週間程度続けてみる
寝不足も手伝って、ベッドに行くとすぐ眠れるようになる。

睡眠スケジュール修正のコツは、眠れなくても毎日起床時間を変えないこと。ベッドでは「眠る」以外のことをしないこと。

ベッドで眠れない時間を悶々(もんもん)と過ごしていた不眠症患者は、眠たくないときは寝室から離れ、眠るときだけベッドにいることで「寝室=眠れない場所」という条件反射を緩和することができる。

改善効果があらわれると、入眠障害(なかなか寝付けない)や中途覚醒(途中で目が覚める)や早朝覚醒(朝早く目が覚める)が減っていく。

まとめ

不眠症の治療には、薬物療法と認知行動療法がある。

現在、不眠症治療の主流は薬物療法で、今の睡眠薬は昔のものに比べ安全性が高く副作用が少ない。

近年注目される認知行動療法は薬物療法と同じかそれ以上の効果があるとされているが、日本では施術できる医療機関が少なく保険も適用外となっている。

いずれにしても、不眠を感じたら一人で悩まず、重大なトラブルを招く前に医師に相談して適切な治療を受けることが望ましい。

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